木材はなぜ割れる理由、そしてなぜ家で割れる音が出るのか?

『1から学ぶ建築教室』

家で音が出るのは心霊現象?

木造の家に住んでいて、『バキッ』という音を聞いたことがありませんか?

それは、家に使われている木材が割れた音です。

心霊現象ではありません。

では、その家は欠陥なのか?

無垢の木材は割れるものだからです。

木材の構成

木材が割れる理由を説明する為には、木材の構成を知らないといけません。

木材は主に2種類の成分で構成されています。

赤身白太と言われる成分です。

白太は木材の外側部分で、水分や栄養を運ぶ役割を果たしています。

なので、細胞の中身は空洞が多いです。

赤身は木材の内側部分で、主に樹木を支える骨の役割をします。

なので、細胞の中身は詰まっていて硬いです。

では木材はなぜ割れるのか?

木材なぜ割れるのか?

赤身と白太の伸縮率が違うからです。

木材は水分を含んでいます。

そして製材された木材は乾燥します。

家を建てた後からも乾燥し続けます。

木材は乾燥すると、小さくなります。

自然での乾燥は外側から進んでいきます。

外側の白太は乾燥し縮もうとします。

しかし内側の赤身部分は乾燥しても白太より縮みません

相対的に外側の方が大きく縮みます。

内側は元の大きさに近いのに、外側は小さくなろうとしています。

それが進むと、外側の白太同士はお互いに離れるしかありません。

結果、割れるという現象が起こります。

なので、無垢の木材を使用すると割れるという現象が起こります。

そして割れると音が出ます。

無垢材を使った家の木材は割れる

無垢の自然な木材を使用すると割れます。

欠陥ではありません。

無垢の木材、更に正確に言えば芯を含む木材はどうしても割れます。

ただ割れても、木材断面の半分までの割れなら強度的にそれほど変わりません。

割れない木材はあるのか?

割れない木材や割れづらい木材は有ります。

専門的言うと『背割り』というものです。

木材に小さな割れを入れない為に、木材に人工的な割れを入れ方法です。

『背割り』した木材は、そこの割れに乾燥の伸縮力が集中する為、それ以外に割れが出にくくなります。

ただ『背割り』は見た目が悪いので、その割れを隠しながら家を建てます。

すべての木材に『背割り』は使っていません。

最後に

なので、建てたばかりの家で割れる音が時々聞こえるのは仕方ありません。

(※2×4(ツーバイフォー)の家などは、理論的に音はなりません。)

音を聞こえなくするには、人工的に作られた集成材などを使用するしかありません。

もちろん価格も上がります。

音が出るという事は、無垢の材を使用しているという事です。

強度的に問題ありません。

(それより壁量計算や直下率が重要です。)

木材を使用する前に、ある程度までしっかり乾燥させる事が重要です。

そうして家を建てると音も少ないですし、いい家が建てられる条件の一つにもなります。

それなりに木材の質にお金が必要だとわかっていただけたでしょうか?

次週は、木材が含む水分『含水率』についてお話しようと思います。 

おわり

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