第11話 少年とマキネ

『マネーの紙飛行機』

水たまりから少し離れて、泥団子状態になっている吾輩を動物たちは静かに見ている。

汚い吾輩を見て興味を無くしたのであろうか、触るのが嫌になったのであろうか…

犬猫たちは去っていった。

危機はひとまず回避できたが、泥だらけである。

口にまで泥水が入っている。

ポタッ、ポタッ

落ちているしずくは、泥水なのか涙なのか分からない。

なんと情けない姿だろう。

「大丈夫?」

天使に声をかける人間、

吾輩が見える人間がいる。

顔を上げるとあの子供がいた。

泥だらけ!

涙だらけだ!

この状況、なんと最悪の演出だ!!

「全~~~部、お前のせいだ!、この大バカ者が!!」

八つ当たりに近い感情をぶつける

「おまえのお金の使い方が悪すぎるから、吾輩が泥だらけになったんだぞー!」

「どう責任を取ってくれる~!!!」

子供は状況の把握が出来ず目を丸くしている

それはそうだ、優しく声をかけたのに罵声を浴びせられている。

人がする行為ではない。

まあ吾輩は天使なのであながち間違いではない…

最悪な自己弁護!

【第12話に続く】

コメント

タイトルとURLをコピーしました