水たまりから少し離れて、泥団子状態になっている吾輩を動物たちは静かに見ている。
汚い吾輩を見て興味を無くしたのであろうか、触るのが嫌になったのであろうか…
犬猫たちは去っていった。
危機はひとまず回避できたが、泥だらけである。
口にまで泥水が入っている。
ポタッ、ポタッ
落ちているしずくは、泥水なのか涙なのか分からない。
なんと情けない姿だろう。
「大丈夫?」
天使に声をかける人間、
吾輩が見える人間がいる。
顔を上げるとあの子供がいた。
泥だらけ!
涙だらけだ!
この状況、なんと最悪の演出だ!!
「全~~~部、お前のせいだ!、この大バカ者が!!」
八つ当たりに近い感情をぶつける
「おまえのお金の使い方が悪すぎるから、吾輩が泥だらけになったんだぞー!」
「どう責任を取ってくれる~!!!」
子供は状況の把握が出来ず目を丸くしている
それはそうだ、優しく声をかけたのに罵声を浴びせられている。
人がする行為ではない。
まあ吾輩は天使なのであながち間違いではない…
最悪な自己弁護!
【第12話に続く】
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