「よく意味がわからないんだけど」
普通に返される。
当たり前の反応だ。
だがこの抑えきれぬ怒り!
この時の吾輩の表情はたぶん天使というより悪魔であったろう。
「では試練を与えよう!」
「へっ⁈」
子供は更に混乱する。
「本来は降臨した後に、電化製品の説明書のごとく長々と説明して、試練を与えるのだが…」
「なんのこと?」
「腹いせに短縮してやる!」
吾輩は手を前にそろえて指を鳴らす。
パパチンッ!
試練が始まった。
天使である吾輩の素晴らしい力で、試練の必要な場所に移動させるのだ。
公園の景色が、いきなり黄色一色に変わる。
「なにこれ?」
子供が驚く。
見たか天使の力!もっと驚け!
すると1匹の『時ウナギ』が現れる。
時ウナギとは時間を行き来するウナギで、普通のウナギより胴が太く短い。
ウナギよりナマズに似ている。
その時ウナギが数十匹、数百匹に増えていく。
【第13話に続く】
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