第16話 そこは縄文時代のナナイロ村

『マネーの紙飛行機』

信じられない事が起きている。

僕は本当に縄文時代にタイムスリップしたみたいだ。

本で見たことのある竪穴式住居。

広がる森林や大地。

毛皮を着た人々。

嘘を言っている風には思えない女の子や村人たち。

これが映画の演技やセットなら、どれだけの労力と費用が掛かっているのだろうかと思ってしまう。

家の中の道具も建物も村の作りも年季が入っている。

狩りで捕らえた動物をさばいている村人もいる。

とても映画を撮る為に作られたものでないのが直感でわかる。

とんでもないことになっている。

そう唖然としていると奇妙な光景を見つけた。

村人が多く集まっている場所があった

そこには祭壇のようなものがあり、食べ物が多く置かれ、何か祭られている。

祭壇の上で祭られているのは、公園で声をかけた着ぐるみの子供だ。

祭壇にある食べ物を気持ちよさそうに食べている。

するとこちらに気づいたようだ。

「起きたか試練の子供よ」

「はい?」

「まあ、こっちに来てご飯でも食べたらどうだ」

コメント

タイトルとURLをコピーしました