足元のポイント
観光の季節になりましたね。
京都観光に行かれる方に、お寺を楽しむポイントを紹介したいと思います。
それはお寺の縁側を裸足で歩く時の足元の気持ち良さの秘密です。
その答えは『浮造り(うづくり)』にあります。
年月を経て、特に外に近い床板の表面が凸凹になっているとこを見て下さい。
現代では人工的に加工しているものありますが、京都の古い建物は長年かけて完成されています。
なぜ浮造りが気持ちいのか
なぜ気持ちいのかは幾つかあると考えられます。
まず適度に凸凹しているので、ちょっとした足裏マッサージ効果になります。
そして平らでないので、滑らないので足に力を無意識に入れる必要がありません。
最後に、それらの効果で床が柔らかく感じるのだと考えられます。
浮造りの形成過程
なぜその様な構造になったのでしょうか?
現代では浮造りを人工的に加工しているフローリングもありますが、古いお寺にあるものは、長い年月で作られたものだと思われます。
木材には柔らかい部分と硬い部分があります。
柔らかい部分は春から夏にかけて形成され、夏目や春材と言われます。
硬い部分は秋から冬にかけて形成され、冬目や秋材と言われています。
年月で形成された浮造りは、木材の柔らかい部分(夏目)が日差しや天気で劣化し、人の足等で削られ作られたと考えれます。
浮造りは2種類
浮造りは2種類あります。
それは板目(いため)か柾目(まさめ)です。
木の板には裏表があり表目・裏目と言います。
基本的に人が当たる部分は表目(おもてめ)です。
表目が浮造りになると、タケノコ上の模様になります。
そのタケノコ状の模様が出るのが板目板(いためいた)と言われる種類です。
もう一つは柾目板(まさめいた)。
川の字に木の目の模様が出来ています。
特に浮造りを感じやすいのは個人的に柾目だと思います。
理由は凸凹の感覚が狭く、浮造りが感じやすいからです。
最後に
普通の人には、気づかれずに長年かけて出来た日本建築の歴史の芸術品の浮造り。
ある意味劣化した木材になりますが、それが感触という味を出しています。
古いお寺に行かれた時には、是非その歴史を足で感じてみて下さい。
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