マイホームを設計する時に失敗しないポイントは壁量も一緒に考える事

『1から学ぶ建築教室』

現在新築の家を建てようと思っている人へ。

家を作る時には間取りと同時に『壁量』を考えないと地震などで壊れてしまします。

地震や台風で壊れない為には『壁量計算』『四分割法』などが必要です。

本来、計算がいるのですが難しくなるので、その壁量のポイントの概要をかみ砕いて話していきます。

家が壊れる仕組みとは

まず家を壊す力は、先ほどお話したように『地震』『台風』の力です。

地震は家を揺らして壊し、台風は強風で壁を押して、家を一瞬で倒します。

その『地震力』『風圧力』に耐えて家を守るのが『壁量』の役割です。

ですが一般の人が『壁量』がどのようなものかは理解しづらいものです。

そしてわからない為、無理な間取りを依頼して、壊れやすい家をもしくはその一歩手前の弱い家を作ってしまします。

その様な事が起こらない為の記事になった嬉しいです。

新築の間取り設計で壁量を考えないと欠陥住宅が出来てしまう

ではどの様な欠陥がでるのか?

それは先ほど述べたように地震や台風での時に壊れるまたは半壊するなどです。

その様にならない為には、

  • 壁量の平面配置
  • バランス
  • 上下位置関係

を考えないといけません。

大変です。

ではどこまで建築関係者考えているでしょうか?

大体の建築業関係者は理解しています、問題ありません。

ちゃんと勉強しています。

ただ一部の勉強不足の業者は問題です。

間取りを優先したりして、総合的な強度を無視します。

またお客が要望する間取りの為に、壁量の配置にずれが生じ、欠陥の家が出来る場合があります。

地震のニュースで比較的新しい家が壊れた映像がありました。

おそらく壁量のバランスや位置などが関係しているように思われます。

何度も言いますが、一般の人が壁量を理解して、一般目線からも問題のない新築出来たら良いと思っています。

知らないと無謀な間取りを提案して、勉強不測の建築業者がそのまま提案を採用すると、最悪な一歩を踏み出すかもしれないからです。

では壁量の説明に移っていきます。

まずは耐力壁を知ろう

壁量とは耐力壁の総量を言います。

ではその耐力壁とはなんでしょうか?

簡単に言えば頑丈な壁です。

壁はみんな頑丈だろう?

そう思われる人が多いと思います。

私が言う頑丈さは、人が壊せない頑丈さではありません。

地震や台風などの大きな力に耐えられる頑丈さです。

頑丈な壁は基本的にイラストの様な壁になります

2つの三角形で構成されている壁です。

普通の壁は、柱2本と上下の横向きの材(横架材)で構成された四角形の壁です。

ですが四角形のみの壁は弱いです。

よくお菓子箱の外側にあるカバーの厚紙を想像してみて下さい。

そのカバーだけなら、中身が空洞なのですぐに変形してしまします。

ですがお菓子箱などの中身があると四角形の形を保ちます。

またはカバーの四角の間に棒を入れると変形しません。

ではなぜ棒一本でなぜ変形しないのか?

それは四角より三角の方が強いからです。

四角は構造上簡単に変形します。

しかし三角は変形しません。

建築でこの三角形を『トラス』と読んでいます。

このトラスは建築のいたるところに、構造体として使われています。

このトラスで構成されている壁や強度のある板を打ち付けた壁を耐力壁と呼びます。

ただし、中途半端に打ち付けた合板は耐力壁にはなりません。

そしてこの耐力壁の総量(正確には長さの総量)壁量と言います。

ちなみにこの耐力壁には普通の窓は設置できません。

かなり小さい採光用の窓なら問題ありませんが。

ではここから重要になってきます。

重要ポイント①『壁量は床とセットで』

壁量は基本的に上階の床とセットでその力を発揮します。

地震や台風に耐えられます。

しかし大きな吹き抜けや階段があると強度が半減すると思って下さい。

イラストの様に両側に耐力壁がありそれを上階に床がつながっていて本来の強度を発揮します。

それなのに大きな吹き抜けが欲しく、床面を無くし、家の強度を低下させる間取りを考える建築関係者もいます。

強度を低下させないで間取りを考えるのには技術がいります。

間取りと強度を両方を考えないといけないからです。

ですが耐力壁の構造を説明しづらいのも事実です。

なので、壁量を少しでも理解しているお客(施主)が増えると、欠陥のある家がその分減ります。

それだけでもこの記事を書いた意味があります。

嬉しいです。

重要ポイント②『壁量はまず外側に寄せ、そして2方向で』

壁量は基本的に外側に寄せます。

床でつないであっても、内側に偏り過ぎたり、バランスを崩すと建物自体がねじれて壊れやすくなります。

まず外側に壁量の配置します。

そして、それとは別に内側にも耐力壁を配置します。

すると、同じ壁量でも台風や地震などの力に耐えられる配置になります。

そして2方向に配置します。

例えば東西方向と南北方向です。

当たり前ですが、家を壊す力を持った地震や台風はどの方向からも襲って来ます

よくある失敗が南面の壁量が少なくなり、弱くなる事です。

採光、日当たりがいい面が南側なので、どうしても窓を多く開けてしまいます。

窓があるところには、耐力壁は作れません。

なので、南面の壁量は弱くなりやすいです。

その時は耐力壁の強度を上げる方法がとられます。

同じ壁の寸法でも、部材を太くして耐力壁の強度を上げる方法です。

ですが、間取りで工夫せずに強度の高過ぎる耐力壁ばかりにして壁量を極端に少なくするのはオススメしません。

その耐力壁に負担がかかりすぎるからです。

その一か所が壊れたら、連鎖的に壊れるかもしれません。

注意が必要です。

重要ポイント③『2階建ての場合は壁量の位置はなるべく上下一致』

2階建ての家の場合は上下階の壁量の位置をなるべく合わせる必要があります。

2階と壁量を支えるのが1階の壁量の役割だからです。

2階壁量が受けた力を1階の壁量が受ければ問題ありません。

しかし2階の壁量の下に体力壁がないと、2階の壁量の力が発揮できません

2階の壁量から見たら、柔い地面に立っているのと同じだからです。

例えるなら、人が砂地で走っている感覚と同じです。

上下階の間取り・プランニングは特にプロがしっかり考えないといけません。

そして一般の人も理解し、無理な間取りを言わない様にしないといけません。

ちなみに、多少の位置のずれは問題ありません。

まとめ

耐力壁とは地震や台風の力に耐えられる壁の事です。

壁量とは耐力壁の総量(長さの合計)です。

  • ポイント① 壁量は床とセットで
  • ポイント② 壁量はまず外側に寄せ、そして2方向で配置
  • ポイント③ 2階建ての場合は壁量の位置はなるべく上下一致

上記のおおまかな3点を理解し、間取りに取り込めるだけでも強度の高い家が出来ます。

終わり

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