技術や実技のわかりやすい教え方(のこぎり編)

『1から学ぶ建築教室』

技術や実技を教えるのは難しい

教師が目の前でやって見せても、学生はできない

技術を教える事が難しく悩んでいる

学科と違って技術もいるので大変

上記のような事を思ったことはありませんか?

何故、難しいのか

技術の教え方は、難しくて当たり前です。

『出来る事』と『教える事』は違います。

実習は、知識だけでなく、技術も必要になり、さらに教える内容を理論的に教えないといけないからです。3段階の構成だからです。

技術を見せるだけで、学生がそのまま出来ることは少ないです。それでも出来る学生は優秀か、もともと出来ている場合くらいです。

今回は『木材の切断』を実例にして、実技の教え方を紹介していきたいと思います。

実技の教え方は、『知識』→『技術』→『理論展開』の3段階です。

順番についてはその時によって変えますが、特に今回は3段階目の理論展開を中心に記述していきます。

1段階目

実技に必要な基本的な知識ことを話します。

木材の切断では、使う道具の鋸と切断される木材の特徴について話します。

2段階目

実際に、習得する実技を学生に見せます。

見せないと、学生はわかりません。

山本五十六の言葉に、「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という言葉があります。

まずは、教える事だけではなく、自分が動かないと人はついてこないものだと思います。

3段階目

何故、出来るのかもしくは出来ないのかを、理論的に話します。

職人や技術屋が、感覚や勘でしていることを理論的に話すのです。

ここが重要なことです。

もちろん、クイズ形式にすると、学生に興味を持たせることが出来ます。

下図の木材の置き方で、どちらの木材がのこぎりで切断しやすいと思いますか?

答えは左側です。

経験や感覚でわかる人がいるかもしれませんが、問題は理論的に教えられるかです

理論的に説明できないと、応用できないからです。

理論的な教え方の例

では、のこぎりを使って木材を切る時の台の置き方を理論的に説明してみましょう。

のこぎりには、下図のように『あさり』というものがあり、鋸刃の厚さより大きく切れるようになっています。

『あさり』がないと、鋸刃の側面が木材に密着して、摩擦が発生し切れなくなる、または動かなくなるからです。

木材の側面を鋸刃の側面に、つけさせない事がまず重要になります。

理想的にのこぎりを使っていても、木材の置き方や台の配置を間違うとのこぎりが動かなくなります。

ポイントは、木材が切れるほど、切り口が開いてくるか閉じてくるかにあります。

下図の〇図ように、木材の切り口が開いてくるのが、正しいやり方です。

その様になるために台を配置します。

×図ように、木材の切り口が閉じてくると、木材が鋸の側面にくっついてきてのこぎりが動かなくなります。

応用編

台の置き方や補助者がいる場合なども、ただ下図のように数がそろっていても、〇の時と×の時があります。

切断していくうちに、木材の切り口が開いてくるかが、最重要ポイントになります。

最重要ポイントが分かると応用が出来るようになります

やり方でなく、ポイントを中心に教える事が重要です。

教える側がそのポイントが分かり、理論的に学生に説明できると、うまくできるようになります。

その教えるポイントが分かるまで、練習したり、理論的に考えるのが大変です。

ですが、何回も繰り返すと、段々とわかるまでの期間が短くなってくるので、あきらめずに頑張ってください。

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