日本の古い建物の屋根、茅葺屋根とかはなぜ現存しているのか

『1から学ぶ建築教室』

【外国人向けの説明】日本の建物はなぜ壊れずに残っているのか~5限目~

理由6 屋根の構造と勾配

茅葺屋根という一般で言われるススキやヨシで出来ている屋根が腐らないのも不思議だと思いませんか?

茅(かや)という水に強い材を使っている事もありますが、主な理由は2つ。

勾配と燻製殺菌です。

ではそれぞれ説明していきましょう。

屋根の勾配

屋根には水を家の中に浸透させない為に勾配がついています。

専門的は4/10とか5/10など水平方向を10の長さに固定して縦方向の数値で屋根の斜めの角度をつけます。

その事を勾配と言います。

水を屋根の中に浸透させない為に、勾配がついています。

屋根の防水性が低いほど勾配が高くなっていると思って下さい。

なので、茅などで出来た屋根の勾配は高く、金属などで出来た屋根は水平に近いです。

燻製での殺菌

茅葺屋根は雨を勾配で流しますが、それでもある程度は屋根の中に浸透します。

そのままですと茅(かや)の屋根の中で虫や細菌が繁殖してボロボロになるところですが、そう簡単にはならない様になっています。

その理由は、囲炉裏などで上がってくる煙が屋根の中の虫や細菌を退治してしますからです。

料理などで使う煙で屋根を守っています。

一石二鳥ですね。

また煙、つまり二酸化炭素などが家の中に溜まらない様に、屋根の一部に空気穴が空いています。

切妻屋根入り母屋屋根越し屋根と言われる屋根の形は、空気を逃がしやすい構造になっています。

それでも徐々に屋根は劣化していきますので、数十年単位で葺き替えています。

昔の人は屋根の葺き替え作業が大掛かりで大変だったので、近所の人たちで協力して行ったそうですよ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました