背後に何やら視線を感じる。
いつのまに!
天使の吾輩に気配を悟られず背後に回る人間がいるだと!?
首輪とリードをつけた犬であった。
ブルドックという種類だ。
リードは犬に引きずられているだけだった…
おい飼い主はどこにいる⁈
周りに飼い主は見当たらない。
犬の方へゆっくりと振り返る…
目が合った瞬間、ブルドックが襲ってくる。
よだれをまき散らしながら
いつ以来だろうか、久しぶりに全力疾走で逃げる。
天使学校の部活のしごき以来だろうか。
ただなぜかこの時に空を飛ぶのを忘れていた。
それだけ驚いていたのだ。
飛ぶのを忘れるくらいに…
体力が落ちているのか、息が苦しくなってきた。
いやそんなことより、
飼い主め、あとで天罰を下してやる!
必死に逃げながら、吾輩は決意表明をする。
息が荒い状態で、前にも気配を感じる。
塀の上に猫がいる。
首輪をつけている。
それも全部の猫が、首輪をつけている…
室内飼いをしていないのか!!
この飼い主にも、力の限界まで天罰を下してやる!
さらなる逃亡劇が続く。。
【第10話に続く】
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