第7話 天使のストーカー

『マネーの紙飛行機』

今日は日曜日。

こどもが一人で出かけるのを陰からついていく。

これでは天使ではなく、変質者のストーキングではないか。

もしくは誘拐犯か…

なぜ天使である吾輩がこんなことをしなければならないのか?!

あの子供の行動が気になるからである。

お札の紙飛行機を飛ばすなど、お金の天使である吾輩を不安にさせる要素しかない。

普通の子供にない不安感が泉のごとく湧き出てくる。

すると子供は自動販売機の前に止まった。

千円札を出してジュースを買う。

黒い炭酸水を買ったみたいだ。

するとジュースの缶を取り出して飲み始める。

しかし自動販売機から出るお釣りには目もくれない

とらない気か?!

というより存在を認識しているのか?

さらに黒い炭酸水も残りの半分も道端に捨て始めた。

げっぷをしながら。

もういらないのか⁈

なんて物を大切にしない子供なのだ!

しかし空き缶はゴミ箱にしっかり捨てる。

最後の1点だけ、美点が見つかった。

今度はたこ焼き屋の出店の前で止まった。

5千円札を出してたこ焼きを買う。

吾輩も食べたい…

いやいや、天使であるわたしが粉もの料理によだれを垂らすとは何事か!

あまつさえたこ焼きを供物としてもらおうなどと、何という意地汚い発想だろうか!!

自身の邪念を払いながら、おどろきの光景を見る…

【続きは、第8話】

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