選ばれた子供は10歳位の男の子だ。
今は朝の6時、子供にしては早起きだな。
大きな屋敷に住んでいて苦労はなさそうな子である。
表情は明るい。
まずまずの合格点だ。
笑顔は生きる上で大切なことだ。
子供は起きてから、自分のいる2階の部屋から窓を開けた。
そしてその大きな窓から、紙飛行機がいくつも大きな庭に向かって飛んで行っている。
その光景は純粋無垢な子供の遊びだ。
のはずだった…
子供が窓から次々と紙飛行機を飛ばしている。
飛んでいる紙飛行機が一万円札!
お札の紙飛行機を飛ばすなど、お金の天使である吾輩を不安にさせる要素しかない。
普通の子供にない不安感が泉のごとく湧き出てくる。
そしてお金の紙飛行機の日から1日後。
今日は日曜日。
こどもが一人で出かけるのを陰からついていく。
これでは天使ではなく、変質者のストーキングではないか…
もしくは誘拐犯か…
なぜ天使である吾輩がこんなことをしなければならないのか。
あの子供の行動が気になって仕方がないからである。
【第7話に続く】
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